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    光前弁護士 2015.6.17 記者会見資料 

    • 2015.06.18 Thursday
    • 22:57


    「子ども脱被ばく裁判」       20156.17 記者会見資料
     (福島地裁平成26年(行ウ)第8号、同27年(行ウ)1号)
     
                          弁護士 光前 幸一
     
     1 本裁判の概要
    上記裁判の第8号事件の第1回口頭弁論期日が、623日(火)の15時から福島地裁の合議法廷(203号)で開かれます。この裁判では、2つの請求を立てています。
       1つは、今現在も、日常生活において低線量被ばくの危険にさらされている福島市、郡山市、いわき市、伊達市、川又町、田村市に住む小・中学生16名(14家族)が、各自治体や福島県に対し、1年間の自然放射線(約0.3mSv/年)を除いた追加外部被ばく(空間線量)が0.3mS/年(約0.035μS/時)未満の地域で教育を受ける権利の確認を求めるものです(これを「子ども裁判」と略称しています)。
          2つ目は、福島県内で生活をする家族、及び既に県外に避難した家族らが、福島第一原発事故後の国や県の事故情報の不開示や不適切な避難措置、安全宣伝等により、無用な放射線被ばくを受けたことに対する精神的不安の賠償を求めたものです。各原告が国と県に対し、金10万円の支払いを求めています。こちらの原告数は、子どもが43名、大人は32名です(これを「親子裁判」と略称しています)。なお、本年1月に第2次提訴していますが(27年(行ウ)1号)、その原告数は、以下のとおりです。

        
    子ども裁判 親子裁判
    原告数  被 告 原告数 被 告
     
    1次訴訟
     
     
    16
    福島市、郡山市
    田村市、川俣町
    福島県、いわき市
    子ども=43
    大人 =32

    福島県
     
    2次訴訟
     
    12
    福島市、郡山市
    伊達市、いわき市
    会津若松市
    子ども=29
    大人 =38

    福島県
     
    2 全国の原発関連集団訴訟
    平成271月末時点で、福島第1原発事故の被害賠償を求める主な集団訴訟は全国20の裁判所に提起され、原告数も1万人弱に達していると言われます(別紙の図面参照)。
       各地の裁判の原告は、福島県内からその地域に避難された方が大部分を占めます。避難された方の元々の住まいは、「避難指示等対象地域区域」であったり、「自主的避難地域」、それ以外の区域、福島県外と様々ですが、いずれも、避難生活にともない発生した損害(転居費用、住宅費用、収入の減少、慰謝料、総体としての生活破壊)を求めています。
     

    3 本裁判の特質
    1.  「子ども裁判」
      上記のとおり、「子ども裁判」は、福島県内で義務教育を受ける子どもが、各自治体に対し、1年間の追加外部被ばく(空間線量)が0.3mS/年(約0.035μS/時)以下の地域での教育を受ける権利があることの確認を求めた行政訴訟です。すなわち、学校を設置、運営する各自治体に対し、一定の被ばく量以下の地域で教育を受ける法的地位があることを確認し、その上で、すみやかな施策を求める裁判です(行政事件訴訟4条の実質的当事者訴訟)。原発事故により発生した損害の賠償や、これから発生するであろう損害の金銭賠償を求めるというようなものではありません。
      このような「安全な教育を受ける権利」を求める根拠は、訴状の26Pに記載していますが、憲法26条は子どもの学習権を保障していることから、国は教育条件を整備すべき義務があり、この憲法のもとに制定されている教育基本法、学校基本法以下の諸法令が各学校を設置し運営する自治体に、子どもたちを「健やかな身体を養成するため配慮」する義務を課しているからです。この安全配慮義務に基づく具体的措置の内容はいろいろあり、私たちは、その第一次的な判断を自治体に委ねることになりますが、最も、直裁なものは、原発事故前と同様の空間線量率の地域での教育ということになろうかと思います。
      私たちは、この点に関し、チェルノブイリ原発事故においては、ベラルーシやウクライナがチェルノブイリ法に基づき、内部被ばくと外部被ばくをあわせた実効追加線量が0.5mS/年以上となる地域を定期放射線管理対象居住区域としたことを踏まえ、年間の追加外部被ばく(空間線量)が0.3mS/年(約0.035μS/時)未満の地域を子どもにとって安全な教育の場所としています。なお、約4000名の原告が福島地裁に提訴している「生業訴訟」では、事故前の空間線量は自然放射線を含めた0.04μS/時であったとして、同線量に戻るまで毎月4万円の慰謝料の支払いを求めておられます。
        (2) 「親子裁判」 
           親子裁判は、国と福島県に対し、福島原発事故により発生した被害(損害)の賠償金の支払いを求めるという点では、他の集団訴訟と同系のものです。しかし、賠償を求める被害の内容は、原発事故の発生そのものに責任のある国と福島県が、事故発生後も、事故情報の適切に開示せず、原発事故により県民が被る被害をできる限り回避させる義務を怠ったことにより、原告らが無用の被ばくを受け、これにより、今後、何らかの健康被害が発生するのではないかとの不安を抱きながらの生活を強いられているという精神的苦痛の賠償に限定しています。
      このような損害賠償を求めた主たる目的は、原発事故後の、国と福島県の住民の健康や安全を無視した諸施策(事故情報の不開示、集団避難や安定ヨウ素剤の服用機会の喪失、20mv/年基準の採用、専門家によるいたずらな安全宣伝や情報操作)の問題点を明らかにし、市民の安全と健康を置き去りにした国と自治体の原発事故対応という事態を二度と起こさせないことにあります。そのため、原告の各自の損害賠償の請求額を、一律、10万円の一部請求としています。
       
       4 本裁判で訴えたいこと(被ばく情報等の不足、放射線被害の科学的未解明、現状に即した予防原則の措置)
         福島原発事故から4年以上が経過しましたが、その原因や原子炉等の現状は、メルトダウンしたとされる核燃料をはじめとして、未だに不明な部分が極めて多い。原子炉周辺の放射線量はあまりに高く、毎日400トンずつ増え続ける汚染水とともに放射性物質は現在も流出しています。また、初期被ばくの状況や被ばく量についても不明な点が多く、WHO等の機関が発表している初期被ばくの見解(健康被害の発生の恐れはすくない)が、どのような資料に基づいて判断されているのか、また、判断の前提となる放射線の危険性をどのような観点にたって評価しているのか批判があります。
      そもそも、放射線の人体に対する影響に関しての科学的知見は未解明な点が多く、とくに、低線量の内部被ばくは、放射性物質の摂取の可能性から、摂取した放射性物質の動体、放射性物質が発する放射線がどの臓器や細胞分子に影響を及し、影響を受けた細胞分子がどのように変性し健康被害となって現われるかまで、すべて確率的なものとなり、科学的因果関係の判定も困難なもので、ICRPを含め、専門機関による研究や調査もきわめて不十分な現状にあります。
      他方、チェルノブイリ原発事故の被害実態について、甲状腺がん以外についても、詳細な健康被害の情報が、地元の専門医師等により海外発信されるようになりました。また、福島原発事故以降の専門家による生態系調査や病態調査により、放射線の影響と推測される事態も報告されています。
      そうしたなかで、福島県が甲状腺検査を中心に行っている「県民健康調査」の第19回検討委員会の最新資料(平成27年5月18日公表)によれば、平成23年10月〜同25年3月に実施された先行検査で甲状腺検査を受けた29万9543名については、既に悪性または悪性疑いがある腫瘍を診断されたものが112人に達し、うち99名が手術を受け、組織診断により98名が乳頭がん、低分化がんと確定診断を受けています。
      また、平成26年度から実施している本格検査(2巡目検査)では、受診した14万8027名から、悪性または悪性疑いがある腫瘍を診断されたものが既に15名存在し、5名が手術を受け、乳頭がんと確定診断されています。
      この調査結果について、検討委員会の甲状腺評価部会は、中間のとりまとめで、「地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推計される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い」と評し、その理由を「被ばくによる過剰発生か過剰診断のいずれか」と捉え、結論として、被ばく線量がチェルノブイリ事故と比べてはるかに少ないことや、事故当時5歳以下のものからの発見がないこと等を上げて、放射線の影響とは考えにくいとの意見を示していますが、さりとて、過剰診断とも断定していません。
      福島県内で原発事故に遭遇した18歳以下の子どもに、甲状腺がんという不可逆的な侵襲を引き起こす疾患が、これまでの統計資料と比べて明らかに異常な数値で発生していることは紛れもない事実です。しかも、その原因は被ばくの影響とも過剰診断とも結論が出せない状況にあります。この残酷で、解決困難な現実を前にして、限られたチェルノブイリの知見をもとに、放射線との因果関係を否定し、子どもたちの健康に配慮した方策を取らないというのは、余りに無策で、年金の食いつぶし等とは比較にならないほど、次世代に対する無責任な不作為です。
      初期被ばく情報そのものの制約と放射線被害の科学的知見の未解明という事実を踏まえ、発生している異常事態を直視し、子どもの健康を守らなければならない予防原則にたてば、現状に不安を抱く子どもや保護者に対し、現在の被ばく環境で学校教育を続けることは、自治体としての安全配慮義務を放棄したものと言わざるをえないと考えます。
      本裁判は、被ばく被害の危険性について、被ばく者側の観点にたった最新の知見を、多くの科学者の協力を得て提示し、これと異なる意見の専門家の意見も公開の法廷で聴取した上で、正当なリスク評価を踏まえた安全な教育を受ける権利の確認を求めるものです。         以上            
                                                                                                               



     

    子ども脱被ばく裁判会報「道しるべ」

    道しるべ 第5号
    道しるべ 第6号
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